米中関係 2013 1 14
2013年1月14日の産経ニュース電子版には、このような記事があります。
「中国、米軍哨戒機を追尾」
中国軍の戦闘機が今月10日、
東シナ海上空で米海軍のP-3C哨戒機と空軍のC-130輸送機に
緊急発進(スクランブル)し執拗に追尾していたことが13日、分かった。
米軍のP-3CとC-130は、いずれも日中中間線付近を飛行していたところ、
中国軍の戦闘機がスクランブル対処として接近・追尾した。
米海軍は電子偵察機EP3も運用しており、中国側はEP3にも接近したとの情報もある。
(引用、以上)
だんだんと中国軍は強気になりますね。
その原因は、「アメリカの弱気」と言ったところでしょう。
中国としてみれば、アメリカのアジア・シフトと言ったところで、
実質的に中身は何もないことを見抜いているでしょう。
それは、シリア情勢が証明しています。
アメリカは、「外交的な解決を図る」と言っておきながら、
結局、シリア情勢の悪化を放置したようなものです。
中国からみれば、アメリカの「外交的な解決を図る」とは、
要するに、「何もしないこと」と同義語であることがわかってしまったのです。
その上、アメリカには、まるで親中国・反日ではないかと、
思わず錯覚させるように見えるメディアが存在することが、
いっそう、中国を強気にさせているでしょう。
2013年1月11日の産経ニュース電子版には、このような記事があります。
外信コラム ポトマック通信 「談話」のツケ重く
米紙ニューヨーク・タイムズがひどい。
一党独裁で言論の自由がない中国や北朝鮮ではあるまいし、
民主国家日本の首相を「右翼の民族主義者」呼ばわりし恬(てん)として恥じないのだ。
同紙は今月3日、「歴史を否定する新たな試み」と題し、
旧日本軍による慰安婦募集の強制性を認めた河野談話に関し、
有識者による再検討の必要性に言及した安倍晋三首相を口を極めて酷評した。
(以上、引用)
中国の軍事指導者は、こう思っているでしょう。
「いかに世界最強の軍隊を持っていても、
政府が弱腰ならば、そういう軍隊は意味がない」と。
アメリカの弱気 2012 12
16
12月12日、北朝鮮による長距離ミサイル技術を使った、
人工衛星の打ち上げ成功と、
12月13日、中国当局の飛行機が、
初めて尖閣諸島沖の領空を侵犯したことをどう見るか。
この二つの出来事は、どう関連しているのか。
これについて、田中 宇(たなか さかい)氏は、
メールマガジンで、このように分析しています。
「北朝鮮のロケット発射に対する米国の反応が弱く、
日本は、安全保障の唯一の後ろ盾である米国に頼れない感じが強まっている。
その状況を見越したかのように、
北朝鮮のロケット発射の翌日の12月13日、
中国当局のプロペラ機が初めて尖閣諸島の領空内に侵入した」
「北朝鮮のロケット発射に対する米国の反応が弱く、
米国が、アジアでの中国の台頭に対して、
口だけしか動かせない今の状況の中、
中国が、尖閣を日本から奪うという象徴的な挙に出ようとしていても不思議でない」
(以上、引用)
確かに、全盛期のアメリカからすると考えられないほど、
今のアメリカは、弱気です。
これは、中国だけでなく、
東南アジア諸国やオーストラリアまで、同じように感じています。
何も感じていないのは、日本の政治家と日本人だけでしょう。
いまだに日本人の頭の中は、安全保障については、終戦直後のままです。
平和ボケも、ここまで行くと、
慢性病というか、持病に近いものがあります。
確かに、日本は、島国なので、
外国から攻められないという安心感があります。
しかし、たとえ国土を守れたとしても、
資源がない日本が、シーレーン(海上交通路)を守れなかったら、
それで終わりです。
今まで、日本のシーレーンは、
アメリカが、「無料で」「ついでに」守ってきました。
しかし、今のアメリカは、財政的に、そういう余裕はないでしょう。
さらに、アメリカは、国内問題に夢中で、外国には関心が低いでしょう。
東南アジア諸国としては、それならば、
今度は、日本が航行の自由を守ってほしいと思っているでしょうが、
日本の政治家と国民の頭の中は、安全保障については、終戦直後のままです。
これが、「東アジアの不幸」となるでしょう。